【解説:日本語に制限のある人びととのコミュニケーション手段】

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【解説:日本語に制限のある人びととのコミュニケーション手段】

日本語に制限のある人びととのコミュニケーション支援手段は多くあります。

英語は世界共通語ですが、日本で生活する外国人住民にとっても、日本人にとっても必ずしも得意な言語とは言えません。実際に頻用されているのは、家族、友人、職場の人などによる「アドホック」通訳ですが、医療安全、医療倫理に課題があり、患者とアドホック通訳者の双方の人権を守るという意味からも、シンプルな生活支援を超えた場面では頼らないことが推奨されています。

やさしい日本語機械翻訳、政府、自治体、NGOなど信頼できる組織により翻訳された資料を組み合わせれば、かなりのコミュニケーションが可能です。医療従事者は、これらを使えるようになるための知識とスキル、そして、これらの限界を知り、医療通訳に切り替えることができるようになるための知識とスキルを身に付けることが重要と考えます。

 

★ 以下のコラムも併せてご覧下さい。

「医療現場における日本語に制限のある人びととのコミュニケーション」(こちら)「やさしい日本語をつかってみよう」(こちら

★ 東京都多文化共生ポータルサイトの「やさしい日本語」ページに、研究室の取り組みが事例として紹介されています。(こちら

 

<受入れマニュアル>

外国人患者の受入れのための医療機関向けマニュアル

厚生労働省の事業により開発されたマニュアルです。包括的な内容になっていますので、外国人患者受入れを開始する際、そして実際の受入れの際の助けとなります。

 

<やさしい日本語>

在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン

出入国在留管理庁と文化庁が、共生社会実現に向けたやさしい日本語の活用を促進するために作成しています。最初の「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」(2020年発表)は主に書き言葉に焦点をあてたものでしたが、現在は、「話し言葉のポイント」、「研修のための手引き」、「研修教材例」など豊富な資料がダウンロードできます。

 

医療×「やさしい日本語」研究会

やさしい日本語を医療者に紹介し、医療機関への導入・普及することを目的に活動している研究者らによるウェブサイトです。研修会情報や教材の紹介が豊富です。

 

<機械翻訳>

ボイストラ

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発したスマートフォン向けの多言語音声翻訳アプリで、無料でダウンロードし使用することができます。(試用を想定して作られた研究用アプリで、研究目的のサーバーを使用していることなどに同意する必要があります。)音声を文字変換→翻訳(31言語に対応)→逆翻、することが可能で、翻訳結果が正しいか自分の言語で確かめることができます。この技術を使用している民間の音声翻訳サービスや製品が多数あります。

 

<翻訳資料>

外国人患者受入れ情報サイト

外国人患者を受入れる医療機関の質の確保をはかるため、厚生労働省の補助事業のひとつとしてメディフォン株式会社が運営しているサイトです。「多言語ツール」ページで、指差しボード、説明資料、問診票をはじめ、豊富な翻訳資料がダウンロードできます。(「多言語ツール」ページには、「医療機関向け」ページトップからも「地域関係者向け」トップページからも入れます。)

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